建築デザイナー
山下 智徳

建築生活空間研究企画室 代表
二級建築士

経歴
1978年 高知県高知市生まれ
1998年 学校法人国際デザインビューティカレッジ建築デザイン科 卒業
1998年 地元建築設計事務所 入社
2002年 建築生活空間研究企画室 設立
2003年 学校法人国際デザインビューティカレッジ非常勤講師 2007年離職

受賞歴
2003年 高知県住宅供給公社主催高知型長寿命木造住宅提案コンペ 特別賞 受賞
2011年 『春野のいえ』グッドデザイン賞ノミネート

子供のころに感じた「ものづくり」の楽しさが、建築デザイナーを目指すきっかけ
今では楽しさと同時に、その責任も感じています

建築デザイナーになろうと思ったきっかけは、どういったものだったんでしょうか?

親が生コン会社に勤めており、子供のころ、ミキサー車に乗せてもらったりしてました。
近所で職人さんが何かを作るのを見るのも好きだったんです。何もない所から、何かが出来ていくのがすごいな、楽しいな、と思ってて。
それがきっかけですかね。

子供のころに、ものづくりの楽しさに目覚められたのですね。
「ものづくり」という広い選択肢の中から、建築に辿り着いたのは、どういった理由があったのでしょうか?

そうですね、色々な理由がありますが・・・
中学の時に風邪で学校を休んでる時に、「渡辺篤史の建もの探訪」とかやっていて、
はまっちゃいました!(笑)
それから間もなく親が家を建てることになり、自分の部屋をどうしたいか色々と考えた事とか、きっかけになっているかもしれません。

なぜ建築の道を選んだのかというと、建物は長く残るので、建築デザイナーの名前も残りますよね。そういう、「生きた証」みたいなものが残るところに、魅力を感じたんです。 。

そうですね!建築デザイナーにとって、お家は「作品」ですからね。
山下先生は、アイデアはどういった時に沸いてくるのでしょうか?

考えようとしても出てきませんよね(笑)
シャワーを浴びてる時とか、ふとした時に思いつくことが多いです。

あとは、建築予定の場所に立った時に「ああ、こんな風にしたいな」とか。

「シャワーを浴びてる時」というのは、他の建築デザイナーの先生でも多かったですね。やはりリラックスした時にひらめきやすいんでしょうね。
「場所に立った時」には、例えばどういうイメージが沸いてくるのでしょうか?

その場所が持つ周辺の環境や空気感や、そこに住まうクライアントの事を想像すると、ぼんやりとイメージが湧いてくるんです。
建物というよりは、そのお家で暮らす人たちの方かな・・・。ご家族の顔を思い浮かべて、「喜んでくれるかな?」というのを手がかりに考えますね。

実際、お家に対する要望はだいたい皆似ているので、それをどう調理するか、というのがアイデアの部分になってきます。

お客さまがお家を建てる方法として、建売住宅や、ハウスメーカーさん等の選択肢もあります。
そういった方法と比べて、山下先生は、お客さまの要望を聞き一からデザインして建てる訳ですが、この「建築デザイナーと建てる家のおもしろさ」とは、何だと思いますか?

「こうじゃないといけない」が無いことだと思いますね。お客さまの要望からスタートして一からデザインするので、同じものは2つと生まれないですし。
その自由さがおもしろさなんですが・・・裏を返せば責任もあって、私たち建築デザイナーは覚悟を持たなければいけない、とも思います。

なるほど。
お客さまのために世界に一つだけのお家を作るからこそ、責任も重大ですね。

私たちの仕事はお客様の一生のことなので失敗できないですし、それ相応の生みの苦しみはありますが、お家が出来上がった時にお客さまから感謝してもらったり、笑顔が見れたときには、そんな苦労は吹き飛びますね!
お家を「住みこなしてもらう」というか、上手に生活してもらえてたら・・・心の底から「ああ、よかったな」と思えます。それがこの仕事の醍醐味ですよね。

そうですね。
私たち施工会社も、やはり相当の責任とプレッシャーがあるからこそ、お客さまに喜んで頂けた時の感慨はひとしおですね。


↑ 「自分がデザインしたお家を、お客さまが「住みこなして」くれていると感じた時は、それはもう、今までの苦労が吹き飛びます!」


↑ 山下先生デザイン、響建設施工担当の「生まれ育った大好きな景色を眺めながら、のびのび暮らす家

山下先生の趣味、プライベートについて
そして、これから挑戦したいこととは?

少し話は変わって、山下先生のプライベートな部分をお聞きしてもよろしいですか?
趣味などは何かありますか?

実は、趣味らしい趣味がないんですよね~。何か作らないと(笑)
何か行き詰まったら、車でドライブしたり、あとは掃除とかかな?
子供との時間が取れてないので、あえて作っていかないと、とは思ってます。
娘が2人いて、いま小4と小1なので、一緒に出かけられるのはあと数年かな・・・と(笑)

趣味がないというのは、意外な一面ですね!
色々な事をご経験されて、建築デザインに活かされているのかと、勝手にイメージしていました(笑)
「趣味をつくる」以外にも、何か今後、挑戦したいことなどはありますか?

これから挑戦したいというより・・・今まで、毎回挑戦だったような気がしますね。「新しい事をしてみたい」とかは、毎回出てくるのでその都度チャレンジします。
ですがもちろん何でもかんでも好きにやっていいという訳でもなくて、制限などもありますのでその兼ね合いが難しいところですね。
例えば、お客さまからの沢山リクエストいただきますよね。もちろんそれらの要望をなるべく全部叶えてあげたいな、とは思うんですが、そうするとコストに跳ね返って来るし、全てを叶えるのは不可能です。
もちろんリクエストは実現できるよう考えるのですが、あれもこれも全部聞きすぎるのではなく、一番大事な「何のためにお家を建てるのか」を忘れないように・・・最近はそういった事を意識するようにしています。
あとは「つながっていくのが楽しい」と感じます。社会と、だったり人とだったり・・・建築はチームワークなので。
「俺が俺が」ではなくて、人の役に立てる、人から求められるのが嬉しいですね。
形にしてくれる人、職人さんや大工さんたちにも感謝しながら、そういった「つながり」を作っていけたら・・・というのが、今後もずっとやっていきたいことです。

「建築はチームワーク」まさにそうですね。
山下先生は「建築物は長く残る」「責任も重大で、失敗できない」と仰っていました。その責任を果たすため、私たち施工会社も先生と共にチームワークをより強固なものにしていかなければならないと思います。
本日は貴重なお話を、ありがとうございました!

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