株式会社ケンチックス
一級建築士
経歴
1971年 東京生まれ 岡山育ち
1993年 日本工業大学 工学部 建築学科 卒業
1993年 高松伸建築設計事務所勤務
2002年 フリーを経て、ケンチックス一級建築士事務所設立
2015年 株式会社 ケンチックスに改称
建築デザインをするうえで、心がけていることやこだわっていることはありますか?
そうですね・・・なるべくお客さまのパーソナリティとご要望に沿えるように、ということと、
計画地の立地に適した「その場所にのみ可能な、唯一の建築」を提案すること・・・この2つについて日々心がけてますね。
家づくりというのは、一生に何度も体験できない人の方が多いですよね。
特に、私どもに依頼をくださるお客さまはこだわりを持たれている方が多いので、それに寄り添い、思いを汲み取ることが大切だと思っています。
「お客さまの思いを汲み取る」というのは、大切ですが難しくもあると思います。具体的に、 どういったことに気をつけていらっしゃるのでしょうか?
お客さまがご自身で「こんな家に住みたい」という思いを言葉で表現することは難しくて、「間取りは3LDK」だとか「明るい家」のように、
漠然とした言い方になってしまう人がほとんどです。
そのような言葉の中に隠されている、裏のストーリーを読み取れるかどうかが、お客さまの満足度に関わってくるのだと思います。
建築デザイナーの作品性を優先したような住宅は、一見良くみえても決して「良い家」にはなりえない・・・
そこに住まわれる人のこだわりや思いを表現してこそ、本当の「良い家」といえるんじゃないでしょうか。
「なるほど~!
言葉にできないお客さまの思いを、リアルな形に創り上げるのも、建築デザイナーの仕事であるわけですね。
設計図面やiPadを駆使して「なるべく分かりやすく」プランの説明をする織田先生。
他には、建築デザインを行なう上で重要視していることはありますか?技術的なことや、 これぞプロの視点!といえるような匠の技のようなものは・・・
平易な言い方になりますが「バランス」がとても重要だと考えています。
「バランス」と言っても2種類あって、まずは建物全体のプロポーションや室内空間における
人体のスケール感といった、寸法的なバランス・・・これが1つ。
もう1つは、何にお金をかけてどこを我慢するかといった、予算の振り分けのバランス。
この2つの「バランス」が取れていると、「良い家」に近づくと思っています。
私たち建築業の者は「バランス」と聞くと、まず寸法としてのそれを思い浮かべますが、確かに 「予算計画のバランス」も同じぐらい大事ですね!
最後の質問です。
実際にプロの建築デザイナーは、どのぐらいの作業でデザインを創り上げているのでしょうか?
人によりけりだとは思いますが、例えば織田先生は1つの建築プランを創るのに、具体的にどのぐらいの時間や手間をかけているのでしょう。
手順としてはお客さまから頂いた要望と、お家の立地条件を整理してから、
プランを組み立てていくことになります。
ですがこれに要する時間はまちまちで、数週間かかっても私自身納得できるプランニングが仕上がらないこともあれば、
1日で書き上げてしまうこともあります(笑)
そんなに違うんですね!
これは驚きです(笑)
毎回様々な個性のお客さまで、要望も立地条件も異なりますので、チャレンジの連続です。
よく「家は3回建てなければ、満足のいくものはできない」と言われますが・・・でも先ほども言ったように、
一生に何度も家を建てる人なんてほとんどいない訳です。ですから私たちは、1回で満足して頂けるように努力を重ね続けていかなければならないのだと思います。
そうですね!
私たち施工業者も建築デザイナーの先生方と共に、お客さまに満足して頂けるよう、努力し続けていかねばなりません。
本日は貴重なお話、ありがとうございました!
織田先生が手がけた「日溜りの家」
このお家の竣工写真ページはこちら。
織田先生が手がけた「ギブアンドテイクハウス」
このお家の竣工写真ページはこちら。
その他、高知県外の織田先生が設計されたお家。
「SAKURA TIME」
「ニワウエノイエ」
「空とツナガル家」