☆CLTとは
ひき板(ラミナ板)を横に並べて層ごとに直交させて接着した大版パネルで、1990年代中頃からオーストリアを中心として発展してきた新しい木質構造用の材料です。
日本でも木造在来工法、鉄骨造、RC造に替わる新しい構造体として注目を浴びており、 国産材の有効活用の切り札として急速な発展を遂げています。
高知県では80数%が森林の為、ラミナ板の材料となるスギやヒノキが豊富にあり、林業の 活性化にも繋がります。
☆軽量素材
建物の重量を占める構造体として使用する場合は、木材の比重はコンクリートの約1/5となり、 建物重量が約1/3~1/2に低減されます。
また、比重に対しての強度は鉄やコンクリートの数倍から百数十倍と強さも兼ね備えており、 基礎や地盤補強の為の負担が軽減されます。
☆建築工期の短縮・コスト削減
CLTは工事中の期間でも工場生産・加工される乾式工法のため、現場打ち鉄筋コンクリート造 (RC造)と比較して、基礎や躯体工期が約1/2~2/3に短縮されます。
工期が短いと工事費用となる経費や現場に要する日にちが削減され、全体のコスト低減にも 繋がります。
☆優れた断熱性能・省エネ
木の熱伝導率はコンクリートの1/10、鉄の1/350程とされており、木材を使ったCLT建築も高い 断熱性能を秘めており、建物の構造体から熱を逃がさず、室内を冬は暖かく夏は涼しくしてくれます。
また、世界が目指す炭素ゼロ社会において環境負荷に優しく、製造時のCO2排出が軽減される事と合わせて、 建物使用時においても高い断熱性能で省エネを実現する事が出来ます。
☆高い耐火性能
一般的に木は燃えやすいため、木造建築は火災に弱いという先入観を持たれがちですが、 実はそうではありません。
木は燃えると表面が炭化し、それが耐火皮膜となるため内側に燃え進むスピードが遅くなり、 CLT建築でもそうした燃えしろを構造計算に入れて設計されています。
その為、人命と家屋を火から守る素材として最適です。