「高知県環境不動産」第1号に認定されたCLT集合住宅──響建設の挑戦と誇り

当社が手がけたCLTパネル工法の純木造4階建て集合住宅「X-ino(シーノ)」が、2025年3月28日、高知県の新たな取り組み「環境不動産」制度の記念すべき第1号物件に認定されました。
地域密着型でありながら革新的な技術を取り入れ続ける響建設の実力が、今回の認定であらためて証明されました。

目次

高知県の「環境不動産」とは?

高知県が2023年4月から開始した「環境不動産」認定制度は、脱炭素社会の実現に向け、森林が吸収した二酸化炭素を炭素として貯蔵する木材の利用を進めるため、木造・木質化された建物を『高知県環境不動産』として認定し、税制面や都市計画面で優遇する制度です。

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認定基準に「高知県環境不動産独自基準評価」と「CASBEE建築評価」があり、ランクはS、A又はB+の評価を受ける必要があります。
「X-ino」は共にAランクの評価を受けています。

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この制度により、環境価値の高い不動産に「環境不動産」としてのラベルが付き、利用者や入居者にとっても安心と価値の目印となります。

第1号物件に認定された「X-ino」とは?

今回、環境不動産第1号に認定された「X-ino」は、いの町で建築したCLT集合住宅です。

この建物は、県産木材を活用したCLT(直交集成板)を構造材に用いた集合住宅で、木造ならではの温もりと、断熱性、耐震性を兼ね備えた高性能集合住宅です。

これまでにCLT集合住宅は2階建て1棟、3階建て3棟を施工してきたが、高知県環境不動産認定条件の1つに集合住宅は4階建て以上とあり、初めてのCLTパネル工法による4階建ての工事に挑戦しました。

3階建ては1時間準耐火構造であるが4階建ては1時間耐火構造となり、鉄筋コンクリート構造並みの防耐火を要求されます。
その耐火仕様では床や壁のCLTパネルの両面を、強化ボード二重張りで全面覆う工事となり、かなりの施工量となりました。

そのため、CLTパネルの重量より強化ボードの重量が大きくなり、CLTパネルの軽量性によるメリットは少し薄れましたが、それでも鉄筋コンクリート造より軽量で、「X-ino」が建つ敷地のような軟弱地盤への施工のメリットは残っています。

外壁の一部に施工した杉板が木造らしさを、また受水槽の周りを囲うように目隠しとして使用した杉板張りと植栽が、敷地内や建物全体が環境に優しい雰囲気を醸し出しています。

木造建築の可能性を拡げる──地域密着とSDGsへの貢献

響建設は「県産木材の積極活用」や「木造建築の非住宅分野への応用」にも力を入れています。
高知県と「建築物木材利用促進協定」を結び、林業の活性化と地域経済への貢献にも取り組んでいます。

(左写真)令和6年度 高知県木の文化賞(県産木材の利用促進の部)受賞
(右写真)令和6年度 第39回高知県地場産業大賞 奨励賞受賞

今回の「X-ino」のような事例は、地産地消と環境負荷低減を両立する理想的なモデルケースといえるでしょう。

建物は「つくること」から「伝えること」へ──環境価値の見える化の意義

高知県がこの制度を通じて目指すのは、環境性能および環境に配慮した不動産の「見える化」です。
認定された建物は環境に配慮された不動産として広くPRされ、住む人・使う人が安心して選べる時代に突入します。
響建設は今回の認定をきっかけに、CLT工法のさらなる普及と、持続可能な建築の提案に一層力を入れていきます。


環境に配慮し、地域とともに未来を築く──
響建設の「X-ino」はその象徴的な第一歩です。

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