「木でマンションは大丈夫?」CLT集合住宅の構造を現場で解説

CLT(Cross Laminated Timber)を使った集合住宅について説明すると、
多くの方からこんな質問をいただきます。

「木造で集合住宅って大丈夫なの?」

そこで今回、CLTパネル工法による木造集合住宅「グランクロス南国」の構造見学会では、
完成すると見えなくなる

  • CLTパネル構造
  • 断熱性能
  • 気密性能
  • 温熱環境

といった建物の性能そのものを、実際の現場で解説しました。

この記事では、その内容を分かりやすくご紹介します。


この記事を3秒でまとめると
CLT集合住宅のポイントは以下の3つです。

CLTは“面で支える構造”のため集合住宅にも使える
断熱・気密性能が高く室内環境が安定しやすい
メゾネット住戸にすることでCLTの木質空間を活かしている

目次

CLT集合住宅とは

CLTパネル構造の仕組み

CLTは木の板を繊維方向が交差するように重ねて接着した厚い木のパネルです。
従来の木造は 柱+梁 で建物を支えますが、CLTは 壁・床そのものが構造体 になります。
そのため、

  • 強度が高い
  • 変形しにくい
  • 大きな建物が作れる

という特徴があります。

この技術により近年では、

  • 集合住宅
  • 商業施設
  • ホテル

など、中大規模建築にも木造が広がっています。

CLT集合住宅の快適性

断熱性能

木材はコンクリートや鉄に比べて熱を伝えにくい素材です。
CLTは厚みのある木質パネルのため、

  • 外気の影響を受けにくい
  • 室温が安定しやすい

という特徴があります。

今回の建物でも、

  • 高性能断熱材
  • 外皮性能の設計

により、快適な温熱環境を実現しています。

気密性能

住宅の快適性は 断熱+気密 で大きく変わります。
建物に隙間が多いと、

  • 冷暖房効率の低下
  • 温度ムラ
  • 光熱費の増加

といった問題が起こります。

CLTパネル工法は、

  • 面構造
  • 接合部が明確

という特徴があるため、高い気密性能を確保しやすい構造です。

温熱環境の安定性

響建設ではCLT住宅の温湿度データを測定し、室内環境の検証も行っています。
実測結果からは、

  • 室温の日内変動が小さい
  • 冬場の室温が安定しやすい

といった傾向が確認されています。

住まいの快適性は感覚だけではなくデータでも確認することも重要です。

メゾネット住戸で実現したCLT空間

今回の建物はメゾネットタイプの集合住宅になっています。
そのため、上下階は同じ住戸の居住者が利用する構成です。
この計画とすることで一般的な集合住宅で必要になる上下階の遮音対策を行わず、
CLTパネルをそのまま天井にあらわす設計を採用しています。
これにより、

  • 木の質感を活かした空間
  • CLT構造の魅力を感じられる室内

を実現しています。

木造建築の魅力である木質空間の心地よさを住戸の中で感じられるのも、この建物の特徴です。

木造でも安心な安全性能

CLTの耐火性能

「木造は火に弱いのでは?」という疑問を持たれる方も多いですが、
CLTは火災時に表面が炭化層を形成し、燃焼速度が遅くなるという特徴があります。
さらに建築基準法では、

  • 必要な耐火時間
  • 構造部材の被覆

などが定められており、設計段階で安全性が確保されています。

施工品質と工期

CLTパネルは工場で製造され、現場ではそれを組み立てていきます。
そのため、

  • 工程が合理化される
  • 工期短縮
  • 品質の安定

といったメリットがあります。

これは施工者にとってだけでなく、建物品質の安定にもつながります。

CLT集合住宅のこれから

建物の性能は建てる時のコストだけでなく、住んでからのコストも重要です。
今回の計画では、

  • ZEH-M水準の断熱性能
  • 太陽光発電

などを組み合わせ、住んでからの光熱費の低減まで含めた住まいづくりを行っています。

まとめ

CLT集合住宅は

  • 構造
  • 断熱
  • 気密
  • 耐火

といった性能を設計と施工で積み上げていく建築です。
今回の建物ではさらにメゾネット住戸とすることでCLTの木質空間を活かした設計も大きな特徴となっています。

響建設ではこれからも木の可能性を活かしたCLT建築を通じて、安心で快適な建物づくりを進めていきます。

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