特殊な敷地をうまく活かした斜めのデザイン「路地の抜ける家」

周囲の路地が狭く変形地という、悪条件の敷地。
「斜め」の形を活かした見事なアイデアで、使い勝手もデザイン性もいい、
高知市都市美デザイン賞を受賞するほどのすばらしいお家が生まれました!

敷地を斜めに切り取る設計デザインと、家の中をぐるぐる回れる動線が最高!
あまりにも気に入りすぎて、自分で都市美デザイン賞に応募、受賞してしまいました!

「車から降りて雨に濡れずに家に入りたい」というのが一番の希望だったんですが、そしたら建築デザイナーの山本先生が斜めを活かした設計にしてくださって、これがとても気に入って!
私は斜めが好きなんです。

山本先生から「このままだと予算オーバーだけどどうします?」と聞かれた時も、「いいです。この斜めが気に入ったから、これが出来ないんだったら私は家は建てません!」と言ったそうです。
私はぜんぜん覚えてないんですが(笑)

あと、最高に気に入ってるのが動線です。
子供たちはぐるぐる走り回れるし、自分も「あ、こっちやった、あっちやった」という感じでぐるぐる回れて。
生活するには動線が一番だと思うんですが、動きやすくて使いやすくて、最高です!

↑ 斜めのラインをふんだんに取り入れた設計。
それが使い勝手のよい生活動線と、心地良いデザイン・リズムを生み出している。

↑ 寝室横には三角形のベランダ、ここにも斜めのライン。
ベランダの外の高い塀で室内が隠れ、採光とプライバシー確保を両立している。

こちらのお家は「高知市都市美デザイン賞」を受賞していますが、この建築賞に、お客さま自ら応募されたそうですが。

そうですね(笑)
山本先生に「どう?応募したら?」って。
この、斜めになってるデザインが面白いし、仕事の関係上そういうのをいろいろ見ていたので、応募したらいいかもと思ったんですが・・・ホントに受賞しちゃった!

ここの敷地は、狭い路地の中にあって周りも建物に囲まれてるんです。ただでさえそんな所に普通の住宅のように塀で囲んだら、周囲に圧迫感を与えてしまうということで、建築デザイナーの山本先生がすごくいいアイデアを考えてくれました!
それがこの、敷地を斜めに使った構造とデザインなんです。

一階の駐車場に車が直角でなく斜めに出入りするので、周りの狭い路地からも車で出入りしやすいんです。
その駐車場の奥まった所に玄関があって、塀で囲まなくてもプライバシーは確保されてるし、塀がないので周囲に圧迫感を与えることもないし。

↑ 路地の角に位置する敷地。ここに塀を建てて、狭い路地を更に狭くし圧迫してしまうのではなく、「うちの前に道が一本増えて、周りの人がそこを安心して通れるような、開けたデザイン」になった。
なおかつ、住む人も車を斜めに出し入れできる使い勝手のよさ、玄関が道沿いにならないためプライバシーも確保、など幾つもの問題を一挙に解決するナイスアイデア!

都市美デザイン賞のインタビューを受けた時も、そういった話をしました。タイトルも「路地の抜ける家」にして。
都市美デザイン賞というのは「家単体ではなく、街と一緒に溶け合ったデザイン」というのが選考基準だったらしくて、うちはちょうど良かったんでしょうね。

「高知市ホームページ内都市計画課、第28回高知市都市美デザイン賞受賞一覧ページ」
※住宅建築部門の一番下に、「路地の抜ける家」が掲載されている。

↑ 都市美デザイン賞受賞のときの写真パネルは、ご自宅に今も飾られている。

こちらを設計した建築デザイナーの山本先生から、当時のことを思い出してもらってお話しして頂きました。
「お客さまの希望を叶えるべく設計すると、建物を三角形・台形で構成することとなり、木工事で大工さんの技量を問われることとなった。そのおかげで、堅固で地震に強い建物となった」・・・だそうです。

耐震とかは考えてた訳じゃなかったんですけど、結果的にそうなってすごく良かったです(笑)

たしかここのお家は、プレカット機械加工ではなくて手加工だったはずです。
建築デザイナーの山本先生は、「大工さんが手触りを感じながらの加工」にすごくこだわって、ずっとやって来た人で。
鈴木さんという、すごく腕のいい大工さんがお気に入りで、山本先生いわく「鈴木さんがお気に入りで使いたくって、そこに響建設がくっついてきてる」という(笑)

↑ 斜めに梁を入れるのはとても難しく、大工さんの技量が問われるところ。見事に仕上げてくれました。

↑ 床板が斜めに並び、障子の敷居で一度分断され、隣の部屋へと伸びていく美しいライン。
「敷居に対して直角じゃなく、斜めに入りながらきれいに揃ったこの貼り方が、すっごく好き!すっごいお気に入り!」

建築デザイナーの山本先生からもう1つ、このようなお話を伺っています。
「茶道を柔かく追及したいとのことで『なるべく奇をてらわないで、かつ常識にとらわれない茶室を作ってほしい』というご要望を頂いた」・・・とのこと。

「茶道を柔らかく」というのは、どういう意味だったのでしょうか?

茶道を昔からやってたんですが、お茶室の作り方は、本当は伝統的なやり方がしっかりあるんですね。天井は網代(あじろ)で、高さはこれぐらいで・・・といった具合に。

基本は守るけれど、でもそういうやり方には縛られずに、生活の一部であり自然体であるような、そんな茶室にしたかったんです。今の生活に合ったスタイル、というか。
そういう意味での「茶道を柔らかく追求」です。

↑ 趣(おもむき)と渋みを表現しつつも、伝統に縛られない自由なやり方で構成している。
例えば掛け軸を吊るすには掛緒や矢筈などちゃんとした作法があり、高額になってしまうのだが、こちらはピクチャーレールを使用。

↑ 茶室も三角形で構成されており、斜めのラインが取り入れられている。
三角形の畳はデザイン的にもおもしろく、目を引く形状。

他にも、茶室横の水屋(みずや:茶室に付属する台所のような所。茶器を洗うための場所)なんかも普通、流しは竹すのこなんです。
でも竹だと手入れが大変で、腐ってしまったりするので「そんなの嫌!何にしたらいいと思う?」と相談したところ・・・グレーチング!普通こんな所に使わない素材でつくってくれました!

こういう所はこだわらず、新しくおもしろいやり方で行きたいと。

↑ 水屋の流しは本来竹すのこでつくるのだが、こちらはFRP素材のグレーチングを用いており、掃除や手入れが簡単に。棚もステンレス!

家づくりの苦労も悩みも一切なし!
建築デザイナーとの意見もピッタリ、とにかく楽しい経験でした。

家づくりの過程で悩んだこととか、苦労されたことなんかはありま・・・

そんなの無いです!(インタビュアーの質問を遮りながら、即答!)
とても楽しかったですし、悩んだことなんか何もありません。

すごい!即答ですね(笑)
でもそれだけ家づくりを楽しんで、できたお家も気に入って頂けて、こちらも大変嬉しいです。

家づくりの最中は2週間に一度の打ち合わせに、半年間通いましたね。それもとても楽しかったです。
「ここはこうだ、こっちはこうしよう」と、山本先生と現場監督の甲藤さんで一つひとつ話し合ってくれたのも、頼もしかったですね。

私が仕事で遠くへ行かなければならない間は、カタログをたくさん貰ってきてそれを見て考えられるようにしていました。
カタログを見て「お風呂はこれにしたいな、こっちはこれがいいな」と考えをまとめておくと、結構な確率で、山本先生と意見がピッ、ピッ、ピッ、ピッと合うんですよ!
「ああ、嬉しい!」という感じで、どんどん決まっていきました。

↑ インタビュアーである響建設社長・丁野敏明と、設計図面を見ながら。
一つひとつ思い入れを熱弁してくれて、いかにこのお家を気に入っているかが、ひしひしと伝わってきた。

一階部分は駐車場と玄関と茶室、生活のほとんどは2階だけで事足りて、無駄なスペースがまったく無く・・・この設計デザインは本当に革新的ですばらしい、見事なアイデアですよ!
なかなかこういう発想はできないですね~。
最初図面を見た時は「えっ!?」と思いましたね。

そうですね。
家に帰ってからはずっと2階に居っぱなしです。ワンフロアで何もかも済ませられるので、2階を平屋のように使っています。

最初にも言いましたが、こういう構造になって一番気に入っているのが動線ですね。
車を降りて雨に濡れずに玄関まで入れて、そのまま2階に上がったら、後は上で生活の全てが済ませられるという。
本当に大好きな、とてもお気に入りの家ですね!

↑ 玄関も三角形。特殊な形状でお洒落なデザインだが奇をてらった感じはなく、落ち着いた雰囲気になっているのは、素材などで上手くバランスを取っているから。建築デザイナーのセンスが光る。

↑ オープンキッチンも、シンプルでスタイリッシュなつくり。

↑ キッチン横の棚には、可愛くお洒落な小物が並ぶ。

↑ ベランダにはデザイナーズチェアが。
全体的に家具や小物などもお洒落で、お家の良さを引き立てている。

建築デザイナーのアイデア、大工さんの技術、お客さまの想いが見事にかみ合って、
都市美デザイン賞受賞も納得の最高にすてきなお家ができました。
携わった響建設としてもとても誇らしい、自慢できる仕事でした!

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